Home / バンクーバー発列車の旅 / 大陸横断 カナディアン号 / 列車(特にカナディアン号)は遅延が多く途中駅からの旅は避けたほうがよい

 

 

 

カナダの列車は必ずといってよいほど遅れます。

しかも、遅れの程度が半端ではありません。2時間程度は日常茶飯事で、カナディアン号のような長距離列車では何時間も遅れます。

 

 

日本人の旅行者で利用が多いのは、バンクーバー~ジャスパー間かと思いますが、他のページでも説明しているとおり、始発のバンクーバーから乗車してジャスパーで下車する行程であればおすすめしますが、途中駅のジャスパーで乗車してバンクーバーへ行く行程はおすすめではありません。

 

もちろん旅程の都合で途中駅から乗車することもあると思いますが、そのような場合であれば、寝台車やビジネスクラスのような、上のクラスの予約をしておくことをおすすめします。また、本やiPadのような時間潰しグッズも重要です。

 

 

私がエドモントンからカナディアン号に乗車した経験を示しますので、参考になれば幸いです。

 

 

カナディアン号の時刻表を見るとわかるように、トロントを始発とするカナディアン号は、4日目の早朝にエドモントンに到着します。

長旅なので遅延は覚悟していましたが、途中のウィニペグで5時間も停車する予定があるので、遅れても途中の停車時間を短縮することで遅れは回復するだろう、と甘くみていました。

 

時刻表によればエドモントン着が午前6時22分、1時間15分停車し、7時35分発車予定です。

 

緯度の高いエドモントンでは、この日(12月某日)の日の出は午前8時50分頃です。

午前6時45分、真っ暗闇のエドモントン駅に向かいましたが、まだ列車の姿はありませんでした。

 

 

 

 

 

乗客は乗り遅れないようにと時間通りに窓口に並んで、荷物をチェックインしています。

 

 

 

 

 

私も切符を入手しましたが、なんと「4時間以上遅れている」と駅員から言われました。

待合室にある古いモニターには、到着「11時15分」とほぼ5時間遅れの表示がなされていました。

出発時刻は「ASAP(できるだけ早く)」という、短気な人なら神経を逆撫でされそうな表示です。

 

 

 

 

 

 

エドモントンはアルバータ州の州都ですが、駅は町の外れにあり、駅周囲には時間を潰せる場所がまったくありません。

 

 

 

 

 

 

 

ガソリンスタンドくらいの大きさでしかない、小さな駅の待合室でひたすら列車を待ちます。

エドモントン駅内にはwifiがあるのがせめてもの救いです。iPadを持ってきてよかったと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

1時間ほど待っていたところ、駅員から「6時間遅れの予定です。もっと遅れることもありえます」との説明がなされました。

表示もいつの間にか「到着12時10分」になっています。

切符をキャンセルし、タクシーに乗り込む乗客がいました。空港に向かったのか、家に帰ったのかはわかりませんが、このようなケースは一組だけで、他の乗客は諦めた表情で黙々と待ち続けます。

 

 

夜が明けてしまいました。

遠くに見えるビル群がエドモントン市街で、駅から簡単には往復できません。

 

 

 

待合室にはコーヒー、紅茶、ビスケットなどが用意されていますが、長時間をしのぐにはさびしい内容です。

 

 

 

 

 

 

 

「どこから来たのですか」「どこまで行くのですか」といった会話が交わされたのもつかの間、会話が盛り上がるはずもなく、待合室ではテレビの声だけが響く静かな時間が流れます。

 

 

我慢のきかない子供には相当キツイ時間です。

 

11時になり、予定どおりならば列車の食堂車でランチを食べている時間です。

寝台車の客は運賃に食事が含まれていることもあり、タクシーで駅から少し離れたホテルのレストランへと案内されました。

 

 

 

 

 

 

タクシーの運転手に聞くと、遅延で乗客をホテルに案内するのは決して珍しくないとのこと。

「列車が遅れたほうが仕事が増えるね」というと、ニヤッと笑いながら、「そんなことはないよ」と返されました。

 

 

 

 

 

 

 

こぎれいなホテルでしたが、食事の質は間違いなく食堂車のほうが上でした。

食材やキッチンのスペースが限られていることを考えると、食堂車のスタッフは相当優秀なのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

一方、エコノミークラスの乗客には待合室でピザが提供されました。

待ち時間が長いとおなかが空くのか、あっという間に食べつくされていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅の職員にとっても、長時間の超過勤務なのでつらいことでしょう。

日本の駅員のように平身低頭謝ったりするようなことは一切ありませんが、表情だけは申し訳なさそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

冬は日照時間が短く、正午をすぎるとだんだん暗くなっていくのを実感できます。日没は4時頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

12時半頃、「8時間遅れで午後2時10分頃に到着予定です。これは確定です」という案内がなされました。

 

待合室の乗客からは安心しきった笑顔がみられましたが、失笑というほうが適切だったかもしれません。

 

最終的に表示されていた、到着・出発時刻です。

到着6時22分⇒14時15分(7時間53分遅れ)

 

 

 

 

canadian-from-toronto

 

 

発車7時37分⇒15時15分(7時間38分遅れ)

 

 

 

ようやく列車に乗ることができましたが、出発して1時間ほどで日が暮れて、全然景色が見えなくなりました。

 

 

この後少しずつ遅れを回復し、ジャスパーの発着は7時間遅れでした。

 

途中のジャスパーでも多くの待ちくたびれた乗客が、小さい待合室で時間をすごしていました。

 

 

終点バンクーバー到着は6時間遅れで、朝の到着予定が昼過ぎの到着になったので、予定を大幅にキャンセルしました。

 

 

途中駅からの乗車は、それなりの覚悟をもって臨みましょう。そして到着が遅れるものとして、予定を組みましょう。

(列車⇒飛行機・列車、というような乗り継ぎを同じ日に組むのは避けるべきです)

 

 
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