カナディアンロッキーといえば、ターコイズブルーの湖が代表的な景色です。
冬季は湖が凍るだけでなく雪で覆われるので、地面なのか湖なのかよくわかりません。
しかし、冬ならではの景色を楽しむこともできます。
おすすめのひとつは、凍った渓谷を歩くCanyon Walkです。
夏は水量豊かで近づくこともできず、上から見下ろすことしかできない渓谷が、冬は川が凍るために渓谷の下(ど真ん中?)を歩くことができるのです。
ここでは、ジャスパーのマリーン渓谷をご紹介します。
バンフを拠点とする方には、ジョンストンキャニオン渓谷をおすすめします。
渓谷の最寄の駐車場から歩き始めます。
写真の右側にマリーン川が見えていますが、この箇所では凍っていません。
ここより下流は凍結しており、上流も凍結しているのに、途中では流れているというな謎めいた川です。
どこから水が来て、どこへ消えるのでしょうか?
湧水や伏流水が複雑に入り組んでいるためにこのような水流になっているのですが、地下水のネットワークは広大で、まだ全貌がつかめていないそうです。
川が凍っている場所からは、川の上を歩きます。
氷面は厚く頑丈ですが、場所によっては氷面下が空洞になっているので、割れたり、落下する危険があるので注意が必要です。
氷の下に潜り込むこともできますが、深入りはやめましょう。
大昔には海底だった、地質学的にはとても面白い場所で、化石も散見されます。
化石がわかりますか?
ガイドさんがいないと、見落としますね。
地下では流れている水が、湧き水となって出てくると凍り付いてしまいます。
凍った湧き水の出口は洞窟になっていて、ところどころで奥に入ることができます。
(夏は水がとめどなく流れていて入れないので、冬だけ可能な洞窟探検です)
洞窟内は年間を通して4~8度くらいに安定しているそうで、もちろん冬は外よりも温かいです。
洞窟の入り口の天井には、つららとは違った形の氷がびっしりついていました。
この渓谷はアイスクライミングのメッカとしても知られています。
凍った滝を見上げてみたり、裏に回って中から見てみたり。
自然の造形にただただ見とれてしまいます。
カナディアンロッキーの川・湖は凍っても独特の青みがかった色を呈しているのが、面白いですね。
この日の気温はマイナス15度。
約2時間の散策で、持参したペットボトルなどはリュックサックに入れていても完全に凍りました。
カメラはポケットに入れて体温であたためておかないと、電池があっという間に消耗し動かなくなります。
十分な防寒具が必須なことはいうまでもありませんが、必ず現地ツアーに参加するようにしましょう。
冬の天候は変わりやすく、単独行動は生命の危険を伴います。