長距離列車の旅の楽しみでありながら、悩みの種にもなるのが食事です。
駅弁なんてありません。
食堂車がついている列車なら、せっかくの機会だから一度は利用してみることをおすすめします。
日本で食堂車を利用したことがある人がどれほどいるでしょうか。
食事中に窓の外の眺めが変わっていくことにおいては、展望台の回転レストランどころではありません。
カナダのレストランで何度も外食した経験をふまえていえば、カナダの食堂車のレベルは高いといえます。
食堂車の味を楽しめない場合は、カナダのレストランの多くで楽しめないかもしれません。
寝台車やビジネスクラスでは食事込みの切符なので、悩む必要はありません。
ただし、バンクーバーを夜8時半に出発するカナディアン号や、オーシャン号にケベックシティなど途中駅から乗る場合など、その日の夕食が車内で提供されない状況もあるので、利用する区間でどの食事が提供されるかの確認は必要です。
食堂車がない場合には、車内販売やスナックを販売する車両で買うことになります。
あまり魅力的な品はないので、出発前に好みの食品を買い込んでおくのが良いと思います。
食堂車以外で、軽食を売る車両に掲げられたメニューの一例
$2から$5程度でサンドイッチなどの軽食を販売。アルコールも売っている。歯ブラシ・歯磨き粉・ひげ剃りもある。
カップ麺。お湯はもちろん用意されている。食堂車の食事に比べるとかなり見劣りする。
食堂車の利用方法は、朝食は先着順、昼・夕食は予約制になっています。
予約は、たいていグループ1, 2, 3と分けられ、時間になると案内があります。
席は4人がけ(オーシャン号の一部で2人がけもある)なので、3〜4人グループでの旅行でなければ相席になります。
2 人組x2、1人×3など組み合わせは様々だけれど、食事だけでなく会話も楽しんでもらおうという趣旨からか相席が原則です。
席はウェイターが決めるので、空席を見つけたからといってさっさと座ってしまってはいけません。
客のほとんどが年長者かつ旅行者で、あえて時間のかかる鉄道の旅を選んでいる人たちなので、 ゆとりが十分にあります。英語がスムーズに話せないからと言って尻込みする必要はありません。
ムスッと無言で急ぎがちに食べたりするのは良くありません。饒舌でなくとも、最低限の挨拶は必要です。
どこから来た、どこ へ行く、カナダのこんなところが好きだ、日本は○○だ、と初対面の人とする会話はある程度想定できることでしょう。
1分間程度の自己紹介スピーチをあらかじめ準備しておいてテーブルにつけば、スムーズにとけ込むことができ旅の思い出も倍増するに違いありません。