カナディアンパシフィック鉄道は、カナダ全土に路線を建設しましたが、カナディアンロッキーを越えるのは古くからの大陸横断鉄道だけでした。そこでもっとアメリカ国境に近い南側を通るバイパス路線(Hope~Medicine Hat)を獲得しました。
サイクリングで有名なケトルバレー鉄道も、カナディアンパシフィック鉄道のバイパス路線の一部です。
ケトルバレー鉄道などの西側の部分は、豪雪や地すべりなどの悪条件や貨物の減少で廃止されていますが、東側の部分は鉱山がいまも多くあり、貨物列車が活発に運行されています。
Crowsnest Pass(クロウズネスト峠)を越えて、アルバータ州の大平原を走るこの路線にはハイライトがあり、それがLethbridgeの巨大トレッスル鉄橋です。
日本のトレッスル橋で有名だった餘部鉄橋とよく規模を比較されます。こちらは長さ1,624m、高さ96m、餘部鉄橋は長さ310m、高さ41mですので、いかに巨大かが想像できると思います。
高層建築に見慣れているというのに、この鉄橋には目を奪われます。ましてや100年以上前(!)の1909年完成当時に見た人々は、度肝を抜かれたに違いありません。
写真下端を歩いている人の大きさからも、鉄橋の大きさが想像できると思います。
近づいてみます。装飾のない耐久性を追求したシンプルな鉄骨なデザインが、かえって美しく見えます。
真下から見上げてみます。貨物列車でしか渡れないのが残念です。
現在では、列車をチャーターするか、「ロイヤルカナディアンパシフィック号」のような豪華列車だけに限られるようです。
100両前後の長大貨物列車が、巨大な鉄橋を進む姿も時間があえば見られます。
鉄橋の足下に、Fort Whoop Upという観光スポットがあります。かつて西洋人がインディアンと酒と毛皮を中心に交易した場所が再現されており、こちらも必見です。
以前は鉄橋のそばに観光案内所があったのですが、現在は閉鎖され、市街地に移動しています。
こちらで観光情報を入手しましょう。
観光案内所では一般の本屋でみかけない、この街の歴史本などが売られています。
絵葉書やキーホルダーのようなお土産は、もちろん鉄橋をモチーフにしたものが目立ちます。
余談ですが、日本で活躍するケント・デリカットさんの出身地でもあります(アメリカ人のイメージが強いのですが、出身はレスブリッジです)。
レスブリッジは第二次世界大戦時に日系人が強制移住させられた街という歴史を持ちます(2万人強の日系人のうち、約6000人がレスブリッジに収容された)。
日加友好記念庭園への訪問もおすすめです(広いし、和風そのものです)。